弓張岳で星を撮る
佐世保市の観光名所のひとつ弓張岳。車でのアクセスも良く、昼間は九十九島、夜は佐世保市中心部の夜景が楽しめます。
標高が350mばかりで低い、中心市街地に近い、街灯が沢山ある、大きなホテルが近くにあり明るい、深夜まで人が来る等々、星を撮る場所としては条件が良くありませんが、南の方向は海で展望が開けており、私はここの展望台でカノープスを見たことがあります。 見えるものなら写るだろうと99年頃に何度か星景写真を試みました。カノープスの光跡は写ることは写ったのですが、下界の明るさとホテルの照明に負けてきれいな写真にはなりませんでした。なんらかの工夫が必要です。 さてしばらく過ぎた2001年1月21日快晴です。家内の実家からの帰りに展望台に寄りカノープスに挑戦することにしました。 まずレンズに蛍光灯用フィルターをつけました。これは蛍光灯照明によるグリーンかぶりを防ぐものですが、気休めにすぎないかも知れません(^_^;)。 次に下界の明かりが直接画面に入らないような構図を探します。星景写真では星の前にくる風景の構図が重要なのですが、弓張岳展望台の屋根はなかなか面白い形をしていて以前から気に入っていますので、これを画面に取り入れて、下界は見えない場所まで後ろに下がることにしました。うまいことにオリオン座や冬の大三角も上空に見えて、カノープスも屋根の下に見える場所が見つかりました。 |
使用機材は、コンタックスG2、ビオゴン21/2.8開放。ISO100ネガで10分間露光しました。タイミング良くカップルが訪れてきてしばらく下界を眺めてくれました。このカップルの右側で柱の左側、屋根の下の光跡がカノープスです。
この写真は天文誌「星ナビ」2001年5月号のギャラリーに入選しました。 |