九十九島上の鶴の渡り

 99年2月初旬、新聞に鶴が佐世保上空を通ったという記事と写真が載りました。3月初旬がピークで、3月いっぱいはチャンスがあるとのこと。2月下旬からぼちぼち石岳近辺に出かけはじめました。私の狙いは九十九島と鶴の群を1枚の写真に収めることです。これは誰しもが考えることらしく、明らかに目的を同じくするカメラマンがあちこちの展望台に数人ずつはいます。巨大な望遠レンズの方、本格的な中判カメラの方、ビデオ撮影の方もいます。

 2月28日の13時30分頃、遠くの島の上空を飛ぶ鶴の姿を双眼鏡でとらえました。あーあ遠いなぁと思いながらも300ミリの望遠レンズに2倍の拡大レンズを装着して撮影をはじめました。遠いし、春霞もあり、ぽつぽつと薄い黒点にしかファインダー上では見えませんが、10分くらいは撮影に熱中していたでしょうか。ふと上空を見上げると、おおおぉっ、いつの間にかすぐ目の前を渡っていく別の一群がいるではありませんか。

 鶴はもう島の上を通り過ぎようとしています。あわてて標準レンズのカメラを取り出しやっとのことで2枚だけシャッターを切りました。

 うーむ残念。もうすでに背景の島々のバランスの良い所を通り過ぎてしまっています。でもまだチャンスはあるさと思いなおし、その後も3月中は晴れれば九十九島に通ったのですが、あらあらなんとチャンスは再来しませんでした!。それどころか鶴のかすかな姿さえ見れなかったのです(‥;)。

 この時、鶴をアップで撮った別の写真は読売新聞読者のニュース写真で佳作になりました。

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