北佐世保駅夜景 私自身も通い、娘2人も通った佐世保市立花園中学校。その裏山が開発され車で行けるようになりました。このあたりは中世に「佐世保城」があったと伝えられる場所に近く、標高があまりないわりには良い眺めです。眼下に松浦鉄道の「北佐世保駅」があり、線路自体もあまり遮るものなく見えています。 しばらく景色をながめていたら松浦鉄道の上り車両がやってきました。下りの車両とすれ違うためにそのまま停止しています。1分ほどで下り車両がやってきて上り車両は出発し、下り車両も客が乗り降りした後出発しました。その一連の動きを見ていて、以前から考えていた松浦鉄道の夜景がが撮れるのではないかと思いつきました。 きらきらとした夜景の中を松浦鉄道の車両が行く、というイメージを前から抱いており、画像にしたいと夜に松浦鉄道をあれこれと撮ってみましたが、これは意外に難しいことがすぐ判りました。 難しさの原因は長時間露光すると車両の像が流れてしまって何を撮ったのか判らなくなってしまうことです。ならばと高感度で写し止めると、車両自体はたいして明るいものではないので回りの光源に負けてしまいまい、ちっとも目立ちません。何より車両のライトが線路に沿って流れていく光の筋が表現できず鉄道写真であることすら怪しくなってきます。 ここで北佐世保駅に向かって夜間長時間露光したならば、線路はよく見えていますので光の筋もきれいに写るでしょうし、車両も1分程度停車している間はホームの光で照らされているのでよく写るはずです。できればまだ空に青みが残る夕暮れ時の方が、線路や車両がより目立つでしょう。 松浦鉄道のダイヤでは撮影チャンスは20分に1回です。晴れていて空がきれいに青く写る日で、10分ほどしかない薄暮のちょうど良い発色時に電車がやってくる、というのも実はなかなか難しい注文です。この頃、ここの近くにある学習塾に末娘が通っていましたので、送った帰りに何度も通いチャンスを待ちました。長時間露光ですので1日に1カットしか撮れません。三脚ががたついたとか、レリーズの操作を間違えたとかの失敗があると、その日は何も撮れなっかたことになります。1ヶ月ほど集中して撮影に通い、なんとかこれならばというのが上の画像です。北佐世保駅のホームに松浦鉄道の車両、背景は佐世保市松山町〜横尾町の住宅地。奥の山は昔陸軍の砲台があった前岳です。この写真は松浦鉄道マイレール・フォトコンテストに入選しました。
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