佐世保市花 カノコユリ 

  市制百周年の2002年、佐世保市花に決まったカノコユリを船越町の海岸で撮影しました。カノコユリは数が減っていて、撮影に適した場所に咲いているのはなかなか見つからず、干潮時にやっと歩いていける崖の下の海岸で撮影した一枚です。

 1年後に行くとこの場所で崖崩れが起こっていてびっくりしました。

 

 

 以下は、長崎県北の自然環境の保護に貢献している「ふるさと自然の会」のホームページに記載されている「カノコユリの保護」についての引用です。

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 カノコユリが平成14年4月に市の花に決まりました。「市の花選定委員会」に副会長の川内野がオブザーバーとして参加し、市の花に何が相応しいかを検討するため、基礎資料を作成するなどしました。検討の結果、自生種をキーワードに佐世保の特徴を表している「スイセン・ハマユウ・カノコユリ・トビカズラ・ハマボウ・ヤマツツジ」の6種を委員会で選定し、その中から市民投票でカノコユリが選ばれました。
  本種は形態によって、カノコユリとタキユリの二つに分けられます。タキユリは九十 九島の崖地などに生え、崖から下がって咲き花弁が球形に反り返るのが特徴です。一方カノコユリは茎が直立し、花弁はタキユリほど反り返りません。学者によっては二つを分ける人もいますが、1種として扱う人もいます。佐世保の
市花では、これら二つを分けずにカノコユリとしました。
  委員会で最も危惧していたことが、市花に決定後わずか2ケ月で起きました。里美町の名前が出たせいもあり、集中的に採取されたのです。ここ十数年、殆んど採取されなかったカノコユリが突然採取されるようになったのは、市花として、その美しさが紹介されたからでしょう。非常に残念なことです。
 7月27日(日)には市の主催でカノコユリ見学会が催されることになり、そのための下見を数回しましたが、その下見をしている30分ほどの間にも開花したカノコユリが10株ほど燐茎ごと持ち去られることもありました。
  カノコユリは市のレッドデータブックでは絶滅危惧TB類(環境省や長崎県も同様)・タキユリは絶滅危惧Uに選定されるほど現在では少なくなっており、この状況を放置しておけば絶滅の危険度は更に高くなります。
 そこで、市企画調整課と共同で保全を図ることにしました。市には地元の方々に木子(もっこ:地中の茎にできた小さい燐茎)と種子の提供をお願いしてもらいました。
 種子は里親制度をとり、市民に里親となって育ててもらい、ある程度大きくなったところで、それを本来の自生地に戻すというものです。木子は当会で育て、自生地に戻すことにしました。
 木子は11月23日(土)、企画調整課の宮崎・木村さん、当会からは米・山本・近藤夫妻・川内野の7人で里美町に採取に行きました。町内会長さんや地元の方々に自宅の裏山などに案内して頂いたお陰で、たくさんの木子が採取できました。一方種子は地元の方々に採取して頂き市へ届けてもらいました。種子は2月始めに申し出られた70人程(一人50粒程度)の里親に配布されました。
 2月16日(日)、木子の採取に参加した会員5人で植付け(ポット)を行いました。バーミキューライトの中で保存していた木子からは、既に新しい根や新芽も出でいました。新芽や根を傷つけないように慎重に植え付けをしましたが、全部でなんと450近くの木子がありました。
 木子は大小さまざまで、大きいものは来年には自生地に返却できると思います。カノコユリが30年ほど前のように普通に見られる夏の花になることを願っています。


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