百武彗星の想い出
1996年春、新聞に載った百武彗星の記事をたよりに近所の山に向かいました。子供のころに読んだ本でハレー彗星にあこがれていたのですが、85年の接近の際は地球から遠い軌道で小さくしか見えず落胆しました。
3月23日、烏帽子岳の広場で百武彗星を見ました。初めて見る大彗星に興奮し一晩中固定撮影(赤道儀を使わず三脚にカメラを固定して長時間露光)を続けました。 翌24日にはポータブル赤道儀を注文、26日には品物が到着。さっそく赤道儀とカメラ一式を携えて佐世保近辺で一番高度のある国見山へ。 その国見山で見たのは、バーストを起こし空の半分を覆うように尾を伸ばした百武彗星の姿でした。この時持っていたレンズの中でもっとも広角だった28ミリの視野からはみ出しているのです。 |
1996年3月26日 オリンパスOM-2 50/1.4
百武彗星が最大の姿になっていたときに、天気が良くなり観望に行けたことは幸運でした。これまで私が目にしたものの中でもっともすばらしい眺めがそこにありました。
この彗星を見たことをきっかけに天体写真を撮り始め、さらに風景、昆虫、スナップと手をひろげてどんどん深みにはまることになってしまいましたが・・・。 彗星発見者の百武祐司さんの訃報はこの時の想い出を呼び覚ましてくれました。ご冥福をお祈りします。 |