ヘール・ボップ彗星
1996年春の百武彗星、1997年春のヘール・ボップ彗星、2年連続の巨大彗星の登場には驚かされました。百武彗星は地球に大接近したので、最接近時には天空の半分を占めるような姿を見ることができました。広角レンズにおさまりきれないような大彗星を見ることができたのは幸せでした。
ヘール・ボップ彗星はあまり地球に近づかなかったものの、彗星自体が非常に大きかったので、1等級の光度を比較的長く保ち、その姿を見るのはある意味簡単でした。私の自宅は佐世保の中心街にあり夜でも周りは明るくて星を見るにはまったく適していないのですが、その自宅の窓から肉眼で楽々見えていたのですから。 この彗星は97年2月初めから4月末まで3ヶ月近く見えていたので、その間に赤道儀に望遠レンズをつけて撮影したり、広角レンズで九十九島等の風景とともに撮影したりと色々な試みをしました。 そうこうする内に4月になり桜が満開に・・・、桜と彗星は撮っておかねばと計画していたのですが、天気が思わしくありません。少し桜が散りかけた4月10日やっと晴れてチャンスが訪れました。彗星が見えているのは21時頃までですが、当時6年生だった長男を塾へ迎えに行かねばならないので遠くへ行く時間はありません。自宅から車で10分ほどの干尽(ひづくし)公園へ行くことにしました。ここには桜が沢山あります。 |
葉桜になりかけているのが残念でしたが港の見える絶好の位置に桜がありました。桜の樹の左上は朧月、右上で少し尾を引いているのがヘール・ボップ彗星です。
機材はコンタックスG2にビオゴン28ミリf2.8。ISO400ネガ、開放で10秒露出です。ちょうど桜に街灯の光が背後から当たっていて良い情景になりました。 この写真は天文誌スカイウォッチャーに一般の部で入選しました。それまで初級の部では2回入選していましたが、一般の部では初入選で嬉しかったことを覚えています。 |