九十九島での大流星
九十九島の海に突き刺さるような大流星を写真に撮りたいと何度も挑戦してきました。流星群は数多くありますし突発的な流星もあるのですが、まとまった出現が期待できるのは、8月13日の「ペルセウス座流星群」、11月18日の「しし座流星群」、12月15日の「ふたご座流星群」の3つです。この年に3回のチャンスの日が快晴であり、しかも月明かりが無く空が暗いことが条件になります。
また流星にも等級があり、明るい流星でないと写真では細い引っ掻き傷みたいにしか見えずぱっとしません。特別明るい大流星を火球と呼ぶのですが、これは滅多に出現してくれないのです。
さらに九十九島の風景は展望台から西の方の低空を望むことになりますので、空のほんの一部分しか視界に入らず、この視野内に流星が飛ぶ確率はほんの少しですし、だいたい低空はもやとか雲であまり視界がよくありません。
ぐだぐだと駄文を重ねましたが、要するに九十九島で大流星を撮るチャンスは極めて少ないのです。
1999年12月15日の「ふたご座流星群」の日も雲が多く、ああなんて運が悪いんだと悪態をつきながら真夜中の展海峰に向かいました。流星撮影は難しいものではなく5分間の露出を何回も繰り返すだけの単調なものですが、長いときは6時間近くも行いますので根性がいります。 |
使用したカメラはオリンパスOM−2000にシグマの対角魚眼15/2.8、フィルムはISO800ネガ、絞り開放で五分間露出です。
西方向の雲が少なくなり撮影を開始したとたん、出ました!、これまで見た中でもベスト3に入るような大流星です。その後すぐに曇ってしまい撮影は中断したのですがこの1枚で大満足でした。
流星は木星に向かって飛びました。ネガを拡大してよく見ると何回か小爆発をしているようです。海が明るいのは漁船の集魚灯です。
この写真は読売新聞1999年12月読者のニュース写真で佳作に入選し、さらに2000年末には年間賞もいただきました。
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