20世紀と21世紀のカノープス 

 カノープスは当地ではちょうど年末から年始の午前零時ころに南中して見やすくなりますので、2000年の大晦日に晴れたら、20世紀と21世紀の境目を移動していく姿を写そうとかなり早くから考えていました。

  さて2000年12月31日は期待以上の好天で、午後10時頃出発。目指すは近くの山にできたばかりの展望所です。ここは南の視界が開けており、しかもハウステンボスのカウントダウンショーの花火が遠くに見える絶好の場所です。

 近くまで来ると寒い中思いがけないほど沢山の人が世紀越しの夜景観望に来ています。車を停める場所の確保も難しい程。できたばかりの展望所だというのに・・・。大渋滞している眼下のハウステンボスに通じる道路を見ながら一番崖っぷちの岩場になんとか三脚をたてて21世紀の訪れを待ちました。

 やがて花火が上がりだし、午前零時が迫ってきました。使うカメラはコンタックスG2、レンズはビオゴン21ミリで縦構図。これで上空のオリオン座まで入ります。

 

 午後11時55分00秒〜午後11時59分00秒 F8.0で4分間 20世紀

 午後11時59分50秒〜午前00時00分10秒 F2.8で20秒  世紀の境目

 午前00時01分00秒〜午前00時05分00秒 F8.0で4分間 21世紀

 

 3回の多重露出ですが、実際は露出不要の50秒間レンズの前を黒い幕で覆うだけです、簡単(^_^;)。絞りを変える操作だけが要注意。

 

 

 上空にはオリオン座、冬の大三角、画面下部は佐世保市東部の住宅街、下部中央で空が明るいのはハウステンボスとカウントダウンショーの花火、花火の少し右上の1点鎖線状に見えるのがカノープスの光跡です。

 この写真は月刊天文2001年5月号の読者の天体写真コーナーに入選しました。

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